先に結論
ご相談いただいた課題は3つ。フィード投稿用のサイズにしたい。人物の顔が変わってしまう。小島さんのサンプルのように「1/5」のナンバリングを入れたい。
3つとも解決できました。ただし、いま想定されている「AIに写真を渡して一発で作る」やり方だと、2番目が解決しないどころか、もっと大きな問題が起きます。その検証結果が第1章です。ここだけは先に読んでください。
| ご相談の課題 | 答え | 詳細 |
|---|---|---|
| フィード用のサイズ | 1080×1350px(4:5)。ただしChatGPTはこの比率を出せないので、まずは正方形1080×1080が事故なし | 第3章 |
| 人物の顔が変わる | プロンプトでは直りません。写真をAIに通さないのが唯一の解決策 | 第1・2章 |
| ナンバリング | 検証では「1/5」「2/5」とも正確に出ました | 第5章 |
検証結果 — AIに実車写真を渡すと何が起きるか
いただいたキャンバスの画像と内装の写真をAIに渡して、「写真は一切変えるな」と強く指示したうえで作らせました。指示は英語で、「1ピクセルも変更するな」「写真は固定されたレイヤーとして扱え」「中古車広告なので改変は法律違反になる」とまで書いています。
それでも、こうなりました。画像はクリックすると拡大します。
内装写真の場合
パッと見は「同じ車の内装」に見えます。でも、装備が違う車になっている。
外観写真の場合
人物の顔の場合
なぜこうなるのか
画像生成AIは、渡された写真をコピーしているわけではありません。写真を見て、似たものを一から描き直しています。だから、どれだけ強く禁止しても細部は必ず描き変わる。プロンプトの書き方の問題ではなく、仕組みの問題です。
これがなぜ問題か
中古車の広告には表示のルールがあります(景品表示法・自動車公正競争規約)。実車と違う装備や状態の画像を載せると、規約に触れる可能性が出てきます。
それ以上に、現場が困るはずです。お客様が「ナビが付いている写真だったのに」と言って来店される。納車のときに「内装のスイッチが写真と違う」と言われる。スタッフの顔写真が本人ではない。
写真を見て来店を決めていただく商売なので、ここは崩せない部分だと考えています。
制作の全体像
写真をAIに通さないなら、どう作るか。作業を2つに割ります。
AIは文章を考えるのが得意で、そこが一番時間のかかる部分のはず。写真を貼る作業のほうは、テンプレートさえあれば1枚30秒で終わります。
方式A(推奨)— 文字はAI、写真は差し替え
第5章のプロンプト1に車種の情報を入れて、ChatGPTに投稿文一式を出させる。出てきた文字をデザインテンプレートに流し込む。実車写真を配置して書き出す。以上です。
デザインテンプレートは、いまお使いのキャンバスの画像と同じ体裁のものをこちらで用意します。文字を打ち替えて写真を差し替えるだけの状態でお渡しする予定。
この方式なら、顔も内装も100%実物のまま。サイズもナンバリングも固定なのでズレません。
方式B(限定的に使う)— AIに一発で作らせる
実車の写真が主役でないスライドなら、AIに全部作らせても構いません。価格や在庫台数だけを大きく見せるスライド、「今月の入庫情報」のような文字だけのスライド、背景に空や道路のイメージだけを使う装飾スライド。このあたりが該当します。
逆に、販売する車が写っているスライドと、スタッフの顔が写っているスライドには使えません。方式Bのプロンプトも第5章に載せますが、必ず第9章の検品リストを通してください。
サイズの決まりごと
フィード投稿に使えるサイズ
| 比率 | ピクセル | 特徴 |
|---|---|---|
| 1:1(正方形) | 1080 × 1080 | 一番扱いやすい。トリミング事故が起きない |
| 4:5(縦長) | 1080 × 1350 | 画面占有率が高く、一番大きく表示される |
| 1.91:1(横長) | 1080 × 566 | 車の投稿には向かない |
見え方だけで言えば 4:5 が有利です。スマホの画面を大きく占めるので、スクロールされにくくなる。
ここが落とし穴です
ChatGPTは 4:5 の画像を作れません。出せるのは正方形 1:1(1024×1024)、縦長 2:3(1024×1536)、横長 3:2(1536×1024)の3つだけ。「4:5で作って」と頼んでも、一番近い比率に勝手に寄せられます。これが「サイズが思い通りにならない」原因でした。
ではどうするか
おすすめは正方形1080×1080です。トリミングが不要なので、文字が切れる事故が起きません。まずはここから始めるのが安全。
4:5でやりたい場合は、こうなります。
- ChatGPTで「縦長(2:3)」を指定して生成する
- できた1024×1536の画像から、上下をそれぞれ128pxずつ切り落とす(残った1024×1280が4:5)
- 1080×1350に拡大して書き出す
このとき大事なのが、生成の時点で上下に余白を取らせておくこと。切り落とす場所に文字があると、トリミングで切れてしまいます。プロンプトに次の1文を必ず入れてください。
上端から10%、下端から10%の帯には、文字・ロゴ・人物・重要な要素を置かないでください。 その部分は背景だけにしてください。あとでトリミングします。
補足:4:5を直接出せるAIもあります
Google の Gemini は 4:5 を直接指定できます。今回の検証もこちらで実施しました。ChatGPTで比率に苦労するようなら、乗り換える手もあります。使い方はご相談ください。
カルーセル(複数枚投稿)の構成
いただいた素材を見ると、外観・運転席・後部座席・荷室・エンブレム・シートまわりと揃っていました。この素材なら5枚組みが組めます。
| 枚数 | 内容 | 使う写真 | 人物 |
|---|---|---|---|
| 1/5 | 表紙(車種名・キャッチ・特徴3点) | 外観(斜め前から) | ◯ 入れてよい |
| 2/5 | 運転席まわり | 内装(運転席) | × 入れない |
| 3/5 | 後席・居住性 | 内装(後部座席) | × 入れない |
| 4/5 | 荷室・積載性 | 荷室 | × 入れない |
| 5/5 | 価格とお問い合わせ | 外観(引き)または無地 | ◯ 入れてよい |
人物は1枚目と5枚目だけにしてください。2〜4枚目を内装だけにすれば、顔の問題がそもそも起きません。
ナンバリングは全スライドの右上です。ヘッダーの罫線の右端に、紺色の丸バッジで乗せる形。今回の検証では、この位置とこの形ならAIでも正確に描けました。
プロンプト集
そのままコピーして使えます。【 】で囲んだ部分だけを書き換えてください。各ブロック右上の「コピー」を押すと全文がコピーされます。
プロンプト1 — 投稿テキスト一括生成
車種の情報を入れると、カルーセル5枚分の文字と投稿キャプションが一度に出てきます。使用頻度が一番高くなるのはこれ。
あなたは中古車販売店のSNS担当です。 これから伝える車の情報をもとに、Instagramカルーセル投稿(5枚組み)の テキスト一式を作ってください。 ## 車の情報 - 車種名(日本語): 【ダイハツ ムーヴキャンバス】 - 車種名(英字表記): 【CANBUS】 - ボディカラー: 【ブラック】 - 年式: 【2019年】 - 走行距離: 【4.2万km】 - 主な装備: 【ナビ、バックカメラ、両側スライドドア】 - 車検: 【2027年3月まで】 - 支払総額: 【98万円】 - 想定するお客様: 【子育て中の30代女性。買い物と送迎で毎日使う】 ## 出力してほしいもの ■ 1枚目(表紙) - キャッチコピー: 8〜12文字。車種の性格を一言で。「毎日の相棒に」のような温度感 - 特徴3点。それぞれ次の形式で - 見出し: 4〜6文字(例「かわいい」「広い室内」「運転しやすい」) - 説明: 2行。1行あたり10文字前後 ■ 2枚目〜4枚目 それぞれ - 見出し: 10〜14文字 - サブコピー: 15〜20文字 2枚目は運転席まわり、3枚目は後席の広さ、4枚目は荷室の積載性がテーマです。 ■ 5枚目(締め) - 見出し: 支払総額を大きく見せる形 - お問い合わせを促す一文 ■ 投稿キャプション - 冒頭1行で車種と価格が分かること - 本文200〜300文字 - 最後に来店・DMを促す一文 - ハッシュタグ15個(地域名を含むもの、車種名、中古車関連をバランスよく) ## 書き方のルール - 誇張しないこと。「最高」「絶対」「日本一」などは使わない - 修復歴や状態について、聞いていないことを書かない - 「〜できます」より「〜です」。断定して短く - 絵文字はキャプションのみ。画像の文字には入れない
一度出させたあと、「1枚目のキャッチをもう5案ください」と追加で頼むと選べるようになります。
プロンプト2 — 表紙デザインの生成(方式B)
写真をAIに通す方式です。販売する実車には使わないでください。参考デザインを再現する練習や、写真が主役でないスライド用と考えてください。
ChatGPTに、お手本にしたいデザイン画像を1枚添付してから以下を送ります。
添付した画像を参考デザインとして、Instagram投稿画像を1枚作ってください。 ## 参考画像の扱い 配色・フォントの太さ・要素の配置・余白の取り方だけを真似してください。 参考画像に写っている車と人物は使いません。 ## 出力サイズ 正方形(1:1)で作ってください。 ## レイアウト(上から順に) 1. 最上部の左: 小さな車のアイコンと「NOGUCHI AUTO USED CAR」の文字。 すべて大文字、文字間を広めに。紺色。その右に細い横罫線を右端まで伸ばす 2. 最上部の右端: 紺色の丸いバッジ。中に白文字で「1/5」。罫線の右端に重ねる 3. 短い縦棒(紺色)のあとに、キャッチコピーを太字で 4. 車種名を、非常に大きく、非常に太い、縦長の英字大文字で。紺色 5. その下に日本語の車種名。太字、文字間を広めに 6. 特徴を3つ、縦に並べる。絶対に横並びや2列にしないこと。 各行は「紺色の丸の中に白いアイコン」+「太字の見出し」+「2行の説明文」 行と行の間に細い点線 7. 下45%: 車の写真エリア ## 文字(このとおり正確に入れてください。変更・追加・省略しないこと) - キャッチコピー: 【毎日の相棒に】 - 車種名(英字): 【CANBUS】 - 車種名(日本語): 【ダイハツ ムーヴキャンバス】 - 特徴1 見出し: 【かわいい】 説明1行目: 【コンパクトで】 説明2行目: 【丸みのあるデザイン】 - 特徴2 見出し: 【広い室内】 説明1行目: 【ゆったりくつろげる】 説明2行目: 【快適空間】 - 特徴3 見出し: 【運転しやすい】 説明1行目: 【小回りが利いて】 説明2行目: 【駐車もラクラク】 ## 配色とスタイル - 紺色は #0A1A4F。見出し・アイコン・罫線すべてこの色 - 説明文のグレーは #666666 - 背景は白 - フラットで清潔な日本のコーポレートデザイン - 文字に影を付けない。透かしを入れない。余計な装飾を足さない
プロンプト3 — 2枚目以降のデザイン枠
写真を自分で入れる前提で、枠だけを作らせるプロンプトです。写真エリアは空けさせます。
Instagramカルーセルの2枚目用に、デザインの枠だけを作ってください。
写真はこちらで後から入れるので、写真エリアは真っ白のまま空けてください。
## 出力サイズ
正方形(1:1)
## レイアウト
- 上から30%まで: 白地のデザインエリア
- 最上部の左: 小さな車のアイコンと「NOGUCHI AUTO USED CAR」(大文字・文字間広め・紺)
その右に細い横罫線
- 最上部の右端: 紺色の丸バッジに白文字で「2/5」
- その下: 短い縦棒(紺)+ 見出しを大きな太字で
- 見出しの下: サブコピーを1行、グレーで
- 30%から下: 何も置かず、完全に白のまま残す
## 文字(このとおり正確に)
- 見出し: 【使いやすい運転席まわり】
- サブコピー: 【見やすいメーターと手の届く操作パネル】
## スタイル
紺色 #0A1A4F、グレー #666666、背景白。フラットで清潔なデザイン。
文字に影を付けない。透かしなし。写真やイラストを勝手に足さない。
出てきた枠に、Canvaなどで実車写真を下70%に配置すれば完成。写真は無加工のまま使えます。
プロンプト4 — キャプションだけ作り直したいとき
以下の車について、Instagramの投稿キャプションを3案作ってください。 車種: 【ダイハツ ムーヴキャンバス】 支払総額: 【98万円】 年式・走行: 【2019年・4.2万km】 狙う客層: 【子育て中の30代女性】 店舗の所在地: 【○○県○○市】 条件: - 1行目で車種と価格が分かること - 本文200〜300文字 - 誇張表現を使わない - 最後にDMまたは来店を促す一文 - ハッシュタグ15個。うち3個は地域名を含めること - 3案はそれぞれ切り口を変える(1案目は価格訴求、2案目は使い勝手、3案目はストーリー)
3つの課題への対処まとめ
サイズ
| 状況 | やること |
|---|---|
| まず始めたい | 正方形(1:1)で作る。1080×1080で投稿 |
| 4:5にしたい | ChatGPTで縦長(2:3)生成 → 上下128pxずつカット → 1080×1350に書き出し |
| 4:5を直接出したい | Geminiに切り替える(ご相談ください) |
| どの方式でも | プロンプトに「上下10%には文字を置かない」を入れる |
顔が変わる
| やり方 | 顔の再現度 | 使ってよいか |
|---|---|---|
| 写真をAIに通す | 別人になる | ✕ |
| プロンプトで強く禁止する | それでも別人になる(検証済み) | ✕ |
| 写真をAIに通さず、後から重ねる | 100% | ◯ これだけ |
補足として、次の2つも効きます。人物を1枚目と5枚目だけにすること。2〜4枚目を内装写真にすれば、そもそも顔が登場しません。もうひとつは、人物を引きの絵で小さく写すこと。顔が小さければ多少の違いは気づかれにくくなります。ただし気づかれにくいだけで、別人であることは変わりません。
ナンバリング
検証では「1/5」「2/5」とも正確に描けました。プロンプトではこう指定してください。
最上部の右端に、紺色の丸いバッジを置き、 中に白文字で「1/5」と入れてください。 文字は正確に「1/5」でなければなりません。
崩れることもあります。数字が「1/S」「l/5」のようになったら作り直し。2回やって直らない場合は、ナンバリングなしで生成して、Canvaで丸と数字を後から乗せてください。そのほうが確実で速い。
写真撮影のルール
テンプレートに流し込む前提なら、撮り方を揃えておくと作業が一気に速くなります。
1台につき撮る8カット
| # | カット | 用途 |
|---|---|---|
| 1 | 斜め前(運転席側から) | 表紙 |
| 2 | 斜め後ろ | 予備 |
| 3 | 真横 | 予備 |
| 4 | 運転席まわり(ダッシュボード全体) | 2枚目 |
| 5 | 後部座席(ドアを開けて) | 3枚目 |
| 6 | 荷室(リアゲートを開けて) | 4枚目 |
| 7 | メーター(走行距離が読める) | 信頼材料 |
| 8 | エンブレム・車名ロゴ | アクセント |
撮り方
横向き(4:3)で撮ってください。縦で撮ると、正方形にも4:5にも収まりが悪くなります。機材はスマホで構いません。HDRはオンのままでOK。
時間帯は曇りの日か、晴れの日の午前中。真昼の直射日光は影が濃く出ます。背景に他社の車やのぼりが入らない位置を選んでください。
表紙用のカットだけは、車の左右に余白を多めに取ること。これがトリミングの逃げ道になります。スタッフが入る場合は車の右か左に立って、全身が入るように。
やらない加工
車体色を変える。キズやヘコミを消す。内装の汚れを消す。実際に付いていない装備を足す。このあたりは全部NGです。明るさとコントラストの調整、背景の差し替えまでが上限。理由は第1章と同じです。
やってはいけないこと
- 実車写真・スタッフ写真をAIに通す(第1章)
- AIが書いた文章を確認せずに投稿する。装備や年式を勝手に足すことがあるので、必ず車両情報と突き合わせる
- 「最安」「日本一」「絶対」などの表現を使う。景品表示法の対象です
- 支払総額と違う金額を大きく載せる。総額表示が原則
- 修復歴の有無を書かずに、修復歴ありの車を「良好」と表現する
- 他店の写真や、メーカーの公式画像を使う
検品チェックリスト
投稿前に、この10項目を確認してください。チェックはこの端末に保存されます。
- 写っている車は、実際に販売する車と同一か(ヘッドライト・グリル・ホイールを見比べる)
- 内装の装備は実車と同じか(ナビの有無、シートの色、スイッチ類)
- 人物は実際のスタッフ本人か
- 車種名の表記は正しいか
- 価格・年式・走行距離は車両情報と一致しているか
- 誤字脱字はないか(AIは「ー」と「一」を間違えることがあります)
- 誇張表現が入っていないか
- サイズは1080×1080または1080×1350か
- ナンバリングが正しい順番で、全枚数そろっているか
- 文字が端で切れていないか
よくある質問
ChatGPTの無料版でもできますか
毎回この長いプロンプトを打つのですか
AIが同じ指示なのに違うものを出してきます
Canvaは有料版が必要ですか
ブルームレンタカーでも同じやり方でできますか
次にやること
こちらで用意するものは2つ。ひとつはデザインテンプレート(Canva)で、文字を打ち替えて写真を差し替えるだけの状態にしてお渡しします。もうひとつがブルームレンタカー用のプロンプト1。レンタカー向けに項目を差し替えたものです。
御社にお願いしたいことは3つあります。
- この資料を読んで、分かりにくい箇所を教えてください
- 第7章の8カット撮影を、次に入庫する1台で試してみてください
- プロンプト1を1台分だけ回して、出てきた文章の精度を見てください
テンプレートは、実際に撮った写真のサイズに合わせて作るほうが精度が上がります。なので2の写真をいただいてから着手させてください。